商品開発をしよう

                        

 

私たちは今回、「商品開発をしよう」をテーマにマーケティングに関する知識を増やし、某化粧品会社の“新商品開発プロジェクト”各部所担当という設定で、構想を立ててみました。

高度経済成長期までは、企業は一つの商品でかなり長い間業績を上げることができましたが、消費者ニーズの多様化により新商品出現の頻度は高まり、企業にとって商品開発は業績に大きく関わるようになりました。

製品・アイデアを具体化すること(product)価格を設定すること(price)様々な販売促進を行うこと(promotion)スムーズに流通させること(place)といったマーケティングの4要素を展開していきます。新商品を開発する前に、企業はアンケート調査や消費者が最初に手にする商品等を調べるといったマーケティング・リサーチを行い、商品開発のプロセスの第一段階である「製品コンセプトの開発」へとつながっていきます。

商品開発のプロセス

@製品コンセプトの開発

A 戦略仮説の検討

B製品化

C市場参入

@製品コンセプトの開発 [企画部商品開発担当より]

今回の新商品開発のプロジェクトにあたって、我が企画部では顧客の希望をもとに商品を作り出すニーズ型をとって新商品を開発した。取り上げた顧客のニーズとは以下の3点である。

1.(食事の後など)化粧直し、カップに付く口紅はいやなので、落ちにくい口紅が欲しい

2.唇にうるおい感が欲しい

3.自分に合う色、自分の好きな色が見つからないので、もっといろいろな色を出して欲しい

以上のことをすべて満たす商品について具体的なデザイン案が右の通りである。今回、ターゲットとなるのは、20代の女性主にOL。ニーズに応えた、色が豊富であることに付け加えて個性的で、かつ「大人の女性」を意識したシックな色をと考えた。そして、顔全体の印象を整える役割の口紅ではなく唇を主役にしたメイクのための物であることも考慮に入れている。色は全25色、キャップ上部はハート型にした。以上、企画部より新商品「ホンジュ・ド・ルージュ」を提案する。

 

A戦略仮説の検討

価格・販売促進・流通の各戦略を練り、それで十分に利益が上げられるかを検討します。

[企画部広報担当より]

 どのようにしてこの商品を世の中に知らしめていくか、つまり広報活動の戦略について。まずこの商品のコンセプト&キャッチコピーは、「極めつけゴージャス」という事にした。安っぽいカンジは一切なし、上質で豪華な雰囲気をかもしだすイメージで売り出して行きたいと思っている。そこでキャラクターに起用するタレントのイメージはもちろんの事、CMを流す番組もターゲット層がよく見るような番組を事前にリサーチしておき、その合間に流すことによってよりいっそう的を得た効果があげられるというワケである。

雑誌も同じだが、こちらはTVより年代層がはっきりと分かれてくるので、契約を行う会社の十分な調査と慎重な選択が必要となってくる。以上の点を踏まえた上で、私は以下のような広報戦略をまとめた。

 

まず今までのCMにない新鮮さを出すという意味で、男女のペアを考えた。そしてドギツい位にゴージャスで、インパクト勝負ができるタレントと言えば・・・?答えは一つしかないだろう。叶姉妹と田村正和である。この2人の今のメディアへの露出度はかなりのものとなっており、話題性という意味でもこの組み合わせがベストだと思われる。

次にCM企画だが、ターゲット層がよく見る番組はやはりドラマだろうという考えから、初期の段階では流す番組を人気ドラマにしぼってみた。そしてわが社の命運をかけたこの商品、一刻も早く世に送り出す必要がある。したがって今回はすでに始まっている超人気ドラマ「HERO」、20代はみんな大好き、織田裕二がやっと復帰した「ロケットボーイ」、大人の女性が好きそうな「別れさせ屋」の3つを候補にあげておいた。

そして雑誌だが、これはかなり期待できるメディアである。なぜならリサーチの結果に、ターゲット層はかなりの確立で何らかの雑誌を月平均1.53冊購入している、というものがあるからである。そこで数ある雑誌社の中でも、ハイセンスな大人の女性向け、ターゲットである20代の女性の中でも特に後半を狙った雑誌を発売している5社(anan,25ans,CREA,VOCE,ef)を候補にあげておいた。

以上の戦略で、この商品は間違いなくゴージャスなイメージで世に広まっていく事と思われる。

 [企画部経理担当より]

 音楽業界には「ミリオンヒット」という言葉がある。シングルCDは100万枚売れたらヒットと言われる。口紅は発売最初の一ヶ月間で25万本売れたら大ヒットと言われる。この100万枚と25万本の数量の差は、口紅の購買層が女性もしくは限られたごく一部の男性、そして女性の中でも大人の女性に限定されてしまうという事にある。私達は今回の新製品の売り上げ目標を発売から半年で100万本に設定した。では、目標達成の為には定価をいくらにすればよいのか?

 口紅の定価にはだいたいの相場がある。10代の中高生向けには1千円台、20代のOL向けには3千円、30代以上のミセス向けには4千円台の物が多い。私達の新製品は20代OL向けなので3千円が妥当という事になる。では相場に反して定価を3千円以上にするとどうなるか?勿論ライバル製品より高い物の売り上げは伸びない。それなら逆に3千円以下にすれば?女性の多くは「化粧品は高ければ高い程良い物である」という先入観を持っているので、相場より安い口紅を出すとブランドイメージを損ねる。つまり、値下げに比例して売り上げが伸びるとは限らないのである。よってやはり相場の3千円が妥当なのである。

 このように、すでに市場に出ているライバル製品や自社のブランドイメージから定価を考える発想を「競争価格方式」と言い、これは「市場発想」によるものである。市場発想は化粧品の他に洋服や店で出す料理などの定価を決める時に用いられる。またこの逆の発想は「コスト発想」と呼ばれ、その考えに基づく定価の決め方を「コストプラス方式」と言う。これは単純に製品の原価に利益を上乗せしたもので、この発想はテレビやパソコンなど多くの電化製品の定価を決める時に用いられる。

 最後に定価3千円の内訳だが、定価は原価と利益を足したものである。そのうち原価は原材料費・製造費・人件費・流通経費で構成されている。製造費はこの新製品の場合、全25色と色の種類が多く、その為1本当たりのコストを抑える事が出来ない。人件費は、口紅はその大半を機械生産に頼れる。そして原材料費と製造費と人件費を足したものは大体どこの会社でも定価の約0.6%〜1%に抑えられている。よって口紅1本3000円当たり、たったの20円で済む事になる。流通経費はイメージタレントに叶姉妹と田村正和を起用し、叶姉妹のギャラは1千万円、田村正和は2千万円であった。そして流通経費の中で一番コストがかかるのがTVのCM枠である。今回私達がCMを出すHEROやロケットボーイや別れさせ屋はもうすでに放送が始まっているドラマなので今からスポンサーになる事は出来ない。よって後から高額な金額を出して余っているCMの枠を買い取るスポットと言う方法でCMを出す事になる。これには8億円かかった。雑誌に出すポスター広告は、20代OLを読者層にもつ雑誌5社と契約し、5千万円円かかった。

 さて、定価から今説明した原価を引くと利益(マージン)になるわけだが、その全てがわが社の利益になるわけではない。私達生産者は出来た製品をまず卸売業者に売り、それを卸売業者が小売業者に卸し、その小売業者が消費者に売るのである。よってこの利益は生産者・卸売業者・小売業者全ての利益の合計なのである。

 

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