平成15年度研究紀要(第38集)


47期生総合学習2年間の歩み 国際理解基礎から発展ヘ

         ― 総合学習T・総合学習U 実践報告 ―

「総合学習T」担当者
山本 京世・治部 浩三
山中 一郎・山田  学
田中 博康・隅田 悦子
梶木 尚美・友田 勝久
奥村 芳和・松山 克則
「総合学習U」担当者
田中 博康・宮川  康
松山 克則・治部 浩三
梶木 尚美・和田 義雄
梶  里野・隅田 悦子
杉本 志穂

  本校では2002年度より「総合的な学習」の時間は1年次「総合学習I」(1単位)、2年次「総合学習U」(2単位)の2科目によって実施することになり、両科目とも本校教育の柱の一つである「国際教育」の実践として、「国際理解」をテーマとして行われた。
 本稿は2002年度から2003年度にかけて47期生を対象に「総合学習T・国際理解基礎」から「総合学習U・国際理解発展〈21世紀をどう生きるか〉」へと2年計画で実施した「総合学習」の実践報告である。
 なお、この間に本校における「総合学習」の運営統括組織は教育研究実習部から国際教育委員会へと移行した。従って本稿は総合学習担当者が執筆した原稿を国際教育委員会が編集したものである。


2002(平成14)年度「総合学習U」実践報告

 ―『食』/『クルマ』から世界を考えよう ―

中野 信行・宮川  康
山田 典子・佐々木利昌
末廣  進・中井 一郎
吉村 勇治・足立 正人
樋口 正次・杉本 志穂

【要   旨】
 2002年度公開授業研究会において「『国際理解」をテーマとする「総合的な学習」の試み―
さらなる展開―」という題目で本校の「総合学習U」の授業を公開した。その報告は本誌第37集に
掲載したが、本報告は、「総合学習U」の授業を終えてのまとめとしてのものである。本科目は
グループ別自主研究学習を中心とするものであり、本報告は極力第37集で既述した内容との重複を
避け、グループ別学習の担当者よりの報告を中心とした。

【本報告の構成および執筆者】
1.2002年度「総合学習U」の概要(宮川)
2.各授業報告(樋口・佐々木・宮川・杉本・中井)
3.班別研究発表テーマ一覧
4.お わ り に(宮川)


「化学U」の課題研究について

  本校での実践例と今後への提言

 化学科 : 松永  茂

【要   旨】
化学Uの課題研究について、本校での実施状況を紹介する。ここ数年の内容と、生徒の意識の変化についての考察を通して、現在の高校化学指導上の課題についてもふれる。

【キーワード】
化学U 課題研究 教育課程 実験 文献調査 報告会 評価 科学史 大学入試

1.は じ め に
 化学Uの課題研究については、過去に報告した内容も含めて、本校での実施内容については、この教育課程の中での位置付けに変化はない。「化学IBとUの内容をベースにして興味を持ったことについて調べ、報告させる。」という流れには変化はないが、外的な要因から(5日制や新指導要領の先取り、開始などによる化学総授業時間数の減少、生徒の意識変化など)の質的な変化が見られる。実施内容を紹介しつつ、その変化について考察をしていきたい。
 その前に、まず、本校での理科カリキュラムについて触れておく。
「理科I」が設定されていた旧課程では、1年で5単位(物2、化2、生1)、2年で6単位(物2、化2、生2)、3年で選択として理物4、理化4、理生3、文物2、文化2、文生2という設定で、じっくりと指導ができた。隔週5日制となり、「理科I」は3単位(物1、化1、生1)に減、2年では選択2科目(物3、化3、生3)となり、3年では選択として理物4、理化4、理生3、文物2、文化2、文生2という設定となり、内容の消化に苦労するようになった。さらに新課程の先取りと過5日制の施行で、「理科総合A」を1年で導入することになり、1年での理科は2単位となった。
 2年は選択2科目(物3、化3、生3)3年では選択として理物4、理化4、理生4、文物2、文化2、文生2となった。
 祝日法の改正もあり、実授業時数の減少の中で、いかに基礎学力を身につけさせていくのか自問する日々が続いている。
 小・中でのカリキュラムの変化も影響している。理科や数学での思考力や計算力の要求水準が低くなった。授業で提示する例示が理解できなかったり、未知の内容であったりする。(機会があれば、紹介したい。)生徒にとっても大問題だが、教える側にとっても不勉強のそしりは免れないと自戒している。硫酸銅(U)の水溶液の色を高校1年生がみんな認知していると思ってはいけないのである。


 セミのぬけがらから見た大阪2003

   ― 高校生による指標生物調査から ―

生物科 : 中井 一郎
古本 大,中村 哲也,平岡 誠志

 【要   旨】
 2003年7〜8月に生物部員および高校理科教員でセミのぬけがら調査を行った。全ぬけがらに対するクマゼミぬけがらの割合(クマゼミ率)は標高の低い地域や都市化の進行した地域で高い傾向が見られた。また、1998年の調査結果との比較から、クマゼミ率の上昇した地点が多いことが認められた。

1.はじめに
 近年大阪の都市部ではクマゼミが増加し、アブラゼミやミンミンゼミは少なくなっている。このようなセミの分布の変化を大阪の都市環境の変化と結びつけて考察することを目指し、大阪府高等学校生物教育研究会指標生物調査委員会では1998年にセミのぬけがら調査を実施した。その後5年を経た2003年に再度セミのぬけがら調査を実施し、前回調査よりもより広範な地域からデータを集めることができた。本報はその結果報告と前回調査結果との比較検討から、大阪府内の環境の現状と5年間の変化を考察するものである。
 


詳細は研究紀要に掲載しています。