2年4組「開発」班



「エビ養殖池の開発とマングローブの減少」



 ベトナム料理でよく使われる食材の一つに、エビがある。エビは我々日本人にとってもなじみの深い食材であり、ベトナムからも大量に輸入している。今、その日本人のエビ好きな国民性が、養殖地であるベトナムに大きな問題を引き起こしている。それが、エビ養殖池の開発によるマングローブの減少なのである。以下ではそのマングローブ減少とエビ養殖の現状を記し、問題打破のためのマングローブ植林事業を紹介する。


エビ養殖とマングローブの減少について

 戦中から続く植林事業やベトナムの人々の意識の高さで、マングローブは枯れ葉剤による破壊から立ち直りつつある。しかし、一方でドイモイ政策(古い社会主義から脱出し、ベトナム独自のモデルを探し出そうとするもので、経済的には「市場経済化」を指す)以降の、急激な人口増加やエビ養殖池の開発により、マングローブ林は新たに伐採という問題に直面している。
 91年以来、ベトナムの貿易輸出先トップは日本。輸出品目は1位の原油(年間約550億円)に続き、水産物は堂々の2位(年間約180億円)。そのうちの7割が冷凍エビで、ベトナムのエビ総輸出量の実に55%を占めている。このように日本人は大のエビ好きで、需要は尽きない。一方ベトナムも、1980年代の初めに、戦後の経済立て直しから外貨獲得のために政府がエビ輸出を奨励し、開発を勢い付けた。養殖池の建設や経営のためならば、低金利で融資が受けられるようにしたのである。そうして、多くの人々が「高収入」を期待してエビ養殖業に転業することとなった。今や「エビを育てる」という意味の言葉の「ヌォイ・トム」は、現金収入手段の代名詞ともなっている。
 現在では、人々には「豊かな家=家族に省や地区の役人がいて、エビ養殖池を所有して労働者を雇い、発電機でラジオやテレビを楽しんでいる家」「中流の家=エビ養殖池を持つが生産性が低く、ラジオは持つが、子供たちは教育を受けず労働力になっている家」「貧しい家=エビ養殖池を所有せず家財道具もほとんど持たない家。良くても労働者で、失業中の者も多い」という意識があり、エビ養殖の、現地の人々の生活における重要度は疑うべくもないであろう。このような状況下で、マングローブ林の破壊は進行を続けているのだ。



マングローブ植林事業について

 海外からの援助としては、イギリスのNGO(非政府組織)、デンマーク赤十字、日本からの「アクトマン(マングローブ植林計画)」などが資金を集め、地元の研究者や技術者と互いに協力し合って植林事業を展開している。植林に際してはほ場試験を行い、土質や潮位、塩分濃度など植林現場の特質に合い、かつその地域の利用目的に適合したマングローブ種を選択する。
ベトナム最南端のミンハイ省では、エビ養殖池のなかに再度マングローブを植え直すという試みがなされている。池全体の7割に木を植えて、残り3割は池として残すというもので、「結合型」と呼ばれる。
地区によっては、地元の人民委員会が違法な開発を差し止めることもあるという。また、違法伐採に対抗して計画的な資源保護を目指すため、保護林を指定して地域住民に家族単位でその管理を請け負わせる、という対策をとる例も増えてきている。



植松,門田,河合,田宮,西村,根ケ山,森永,吉田