とよす「三菓亭」オーナー豊洲氏に聞く

2年4組8班(道盛・吉田・湯川・山田・和田)



  11月27日、私達8班はインタビュー「食の職」にあたり、あられやおかきの老舗「とよす」の三菓亭に伺い、そこのオーナーであられる豊洲さんにお話をお聞きしました。


生徒(以下、生):
とよすが出来た当時の様子を聞かせて頂けますか?
豊洲さん(以下、豊):
発祥の地はここ池田で、もとは工場があったんですよ。今のように飲食形式になったのは15年前からですね。
生:
大きくなったきっかけはなんだったのですか?
豊:
おかきはもともと家内制手工業でテレビで宣伝したりマスメディアに乗せたりすものではなかったのですよ。それを先々代の社長がテレビでCMをながしてみようと発案して、それで多くの人が名前を覚えてくれました。その時にすごく大きくなったようですね。
生:
なるほど。そうやって今のとよすがあるわけですが、豊洲さんご自身がとよすにおつとめになったきっかけはなんだったのですか?
豊:
とよすの夫のところにお嫁に来たからです。
生:
お嫁にきた際に何かとよすについての説明があったのですか?
豊:
いえ、家の中ではありませんでした。まわりにいる人が書いたものの端々から知りました。もっともみなさんが自分の祖父母の名前や何をしていたかを知っているのと同じことで、別に特別なことはありませんけど。
生:
現在ここでおつとめになっていて気をつけていること、工夫なさっていることを教えて頂けますか?
豊:
食べ物屋はもちろん食べ物を食べていただく場所なので、清潔で気持ちよくしておくことが基本ですね。特にここは本店ですから、「とよすあられ」のイメージを壊さないよう来てくれたお客様にはできるだけ気持ちいいという印象をもっていただけるようにしています。
生:
イメージを壊さないようにとおっしゃいましたが具体的にはどのようなことをなさっているのですか?
豊:
どの会社もやっていることですが、授業員の身だしなみ、言葉遣い、挨拶ですね。これは人間として当たり前のことなので、別に本店だからというわけでもないんですけど、ただそれがなってない人はやっぱりお客様に不快な印象を与えてしまうので、従業員の方たちには30時間、実際に仕事をしながら礼儀、挨拶、接客をきちんと訓練してもらいます。
生:
一年における行事性、季節感に関しては何か工夫なさっているのですか?
豊:
一年のうちで特別なメニューを出す日は決まっています。ひなまつり、敬老の日、父の日、母の日、なかでも一大イベントはひなまつりですね。とよすだからひなあられを出すのですが、それを目当てにくるお客様も多くいらっしゃるみたいです。あと正月には干支のおかきというものをつくっています。他に個人的に特別なこと、例えばおめでたいこととかそういう時に来ていただけると嬉しいですね。このお店に華やかさやあらたまった雰囲気をうけとってくださるわけですから。
生:
表のショーウィンドウはいつも綺麗に飾ってありますよね。その際に何か工夫なさっていることとかはあるんですか?
豊:
おかき、おもちは日本の伝統的なものですから季節感は大事にしたいと思っています。お客様にその時折々の旬を感じて頂こうと気をつけています。それが店の一つの特徴になればいいですね。少しでもそれを心にとめてくれるお客様が増えたらいいと思います。
生:
商品の名前にもやはりそういう日本の伝統にちなんだものを選んでいるのですか?
豊:
そうですね。そういう範囲で美しい響きを持ったものを選んでいます。おかきにミルフィーユとかマロンパイなんていうのは雰囲気としておかしいですからね。
生:
三華亭でのメニューをつくるにあたっての指針のようなものがあったら聞かせて下さい。
豊:
あられやおかきの原材料である餅米からできた料理を楽しんでいただきたいですね。 これがコンセプトであり指針です。
生:
とよすには同じ系列のお店があると伺いましたが?
豊:
「かのか」というんですけど、そこではゴマ、米、わさびアイスなどを開発しています。おかきと同じ和の食材の中から違う切り口で何か他の物はつくれないのかと思ったのがきっかけで3年前からはじめました。
生:
形を変えたお店は他にもあるのですか?
豊:
とんかつ屋が4軒と花邑というカフェがあります。とんかつ屋はブランマルシェの下にもあるんですよ。
生:
そうなんですか。でもどうして名前を変えているのですか?
豊:
とよすは基本的におかきをつくるところで、それとはまた別に飲食部門として花邑などがあるわけです。とんかつ屋はとよすのブランドから離れていますし、それぞれがやっていることが違いますからね。それぞれが独自のものをつくっていて独自の世界を広げていってると考えてもらったらいいんじゃないですか。
生:
この先の展開としてはどのように考えておられますか?
豊:
とりあえずはお客様に喜んでいただける店作りと味作りを続けていきたいですね。チェーン店ができていけば素敵だけど難しいです。
生:
どうしてですか
豊:
どうしても食べる量が減ってきていますから。若い人はおかきを食べるよりコンビニでスナック菓子を買う方が多いですし、売り上げも減ってきています。いいものはなくならないと思って下さる人もいるんですが、やはり若い人にもっとおかきを食べてもらいたいです。
生:
そうですか。私は結構家にもおかきがあると思っていたのですが。
豊:
お客様の気持ちに取り残されないよう伝統的なものにちょっとずつトレンドを取り入れてはいるんですけどね。そうしないと会社は続けることは出来ませんから。ただお客様の気持ちはうつろいやすいものなんです。たとえば今はキティーちゃんが可愛いと言われているけれど10年後20年後にそう言われているかどうかはわかりません。ですから少しずつお客様の気持ちを取り込んでいきたいですね。
生:
それでは最後にこのお仕事をなさっていて一番良かったことを教えて下さい。
豊:
月並みですがやっぱり「おいしいね」と言ってくれて何度も足を運んでくれたりお帰りになるときに「おいしかったよ」と言ってくれるととても嬉しいですね。
生:
今日はどうもありがとうございました。



<インタビュー後記>