4組6班インタビュー

「特別養護老人ホームの調理室事情」

班員 {根ヶ山泰史 野中優江 野村陽子 林口哲也 藤本英寿(50音順)}



特別養護老人ホームの食堂でパートタイムをしておられる水島広子さんに、仕事の内容や就労環境などについてインタビューをさせていただきました。まず、水島さんのパートの主な仕事内容を記しておくと、ホームの入居者・ショートステイ(短期間宿泊)・デイサービス(昼食のみ)及びホーム職員の食事作り関連で、食品の下準備から調理、食器・器具の洗浄、調理室の清掃など。調理は、栄養士が作ったメニューに従って朝昼晩すべて作るそうです。

では、インタビューの内容に移ります。当班からの主な質問として、

  1. このパートに 就いたきっかけ・動機など、よければ教えてください。
  2. 仕事をする中で今までに苦労したこと、今現在苦労していることを教えてください。
  3. また、楽しいこと、喜び・やりがいを感じられる時のことについて話を聞かせてください。
  4. 仕事を通して実感したこと・発見したことなどあれば教えてください。
  5. 最後に、特別養護老人ホームでの仕事まわりのことで、何か改善してほしいところ・若者にもぜひ知っておいてほしい現状などあれば、お願いします。

といったものに答えていただきました。以下にそのお答えの内容を要約します。

  1. ホームヘルパーの資格を持っているので、食事面での勉強になるのではと考えたのが第一の理由です。あ と、365日が就労日ですので、他の従業員の方との調節により、自分に都合のよい勤め日が選べることです。
  2. 味が良く、見た目においしそうに作ること。限られた時間のなかで限られた人数で作るため、速くおいしく作って、速くきれいに盛り付ける。これがなかなか難しいことです。速くすると雑になり、汁がお皿にとんでいたり、量に多少がでたり、様々です。
  3. もちろん、「おいしかった」「喜んで食べておられた」とワーカーさん(お年寄りのお世話をする人)から言ってもらうことです。
    ・年を取ればあっさりしたものが口に合い、少しの量しか食べないと思っていましたが、意外にも、人気メニューは豚カツ・カレーなど肉っけのものです。おひたし・酢の物などは喜ばれません。また食べることは大きな喜びのようで、8時に朝食、10時におやつ、11時45分に昼食、2時におやつ、5時15分に夕食と、作るほうが堪能してしまうくらいの量を一日にお出しします。
    ・身体機能や生活機能の衰えたお年寄りをお世話する人の7割近くが学校卒業すぐくらいの20代の男女で す。赤ちゃんを育てたというようなこともない若者が、年を取った方の食事から下の世話までをすべてしている姿には感心します。
  4. ・私たちの働く厨房は、施設からの委託を受けた業者が引き受けています。ですから、ワーカーさん達とも雇い主が違います。この事は目に見えない大きな壁となります。食事への感想を率直に話し合えない状況がどうしてもできてしまうからです。「もう少し、味を甘くしてほしいのに」 「量の多少が目立つ」など、その時々の思いがなかなか言えないのです。給食委員会というものが月1回開かれますが、厨房のパートと施設のワーカーはメンバーから外されているため、現場のもの同士で直接意志の疎通ができないという悩みがあります。施設の厨房は是非、直営であってほしいと思います。
    ・年を取れば機能が衰えお世話を受けなければいけなくなるのは当然のことですが、お世話を多く受ければそれだけ当人にとって良いことかどうかは疑問です。施設に入れば身体や能力の具合でいろいろなケアがあります。座っていれば全て人がしてくれるというのは、半面生きることへの張りを失わせる作用もあると思います。残った機能で、まだまだやれることがあるのです。高度で行き届いた介護を充実させていくことと、年を取った人たちの誇りを持った生活を維持できる形態が必要だと思います。


(感想)
その絶対量と収容可能人数の少なさが問題になっている特別養護老人ホームですが、解決しなければいけない問題はその内部にも多々あることが分かりました。ワーカーに20代の人が多いということは、自分たち自身についても考え直させます。何をする上でも「現状を正確に把握する」ということは大切で、今回のインタビューではその点収穫が多かったと思います。